「荒川静香 Friend + α 2014-2015」織田くんとの対談 続き!荒川・織田の関係性 荒「一緒に遠征とか行ってないよね」 信「僕、初めてお会いしたのは、2005年の日米対抗戦で、東伏見で (ここで荒川さん思い出した様子) 僕とか大ちゃんとか出てた時だったんですけど」 荒「シニア一年目?私シニア最後の年だったから」 信「グランプリとか違う試合だったから最初で最後の、全日本ではお会いしたことあるけど」 荒「試合って行って帰ってきちゃうから、カテゴリ違うと話す機会が無い」 信「そんな!話すなんて滅相もない」 荒「また~!そんなこと言って~!」 信「そこで初めて会って話掛けてもらったんです。『あ~信長の末裔?』って」 荒「そんなこと言ってたんだ(笑)」 信「打ち上げの時『一年目なんだからいいじゃん、気負わなくても』って言われて、それですごいノビノビやってたら、その年の世界選手権が未だに最高順位という・・・」 荒「うそ?これだけ才能のある人が才能のある順位に到達してない・・・もったいない人だと・・・なんでだろう?」 信「そこでそれやるか?ってことを、やらなきゃ良かったのにってことを、当時の強化部長にも何度も怒られましたけど」 荒「意外と取ってないんだ。世界で何度もメダル取る力を持っているのに、結局取ってないんだ」 信「ちなみにその4位の時も最後の2Tを跳んでなければ3位になれた(笑)」 荒「普通は『あれ跳んでれば』なのに『やらなければ』って人いないからね」 信「普通は荒川さんとかユヅとか金メダル取って、こういうふうに頑張ろうって思うんだけど、僕の場合は反面教師としてこういう時にこういうことをしては駄目だというのを伝えれる選手だと思う。ある意味、スケート界にとって貴重な存在」 荒「リカバーできちゃうからだよね」 信「リカバリー強迫観念みたいなのがあって、常にリカバリーしないとみたいな」 荒「一番いいキャラだなって思うのは、キスクラでコーチはガックリしてるのに、本人は喜んでるんだよね。上手くいった! みたいな。点数見て『えっ?』って、『そこで気付く?』ガッツポーズしてるし」 信「先生喜んでくれへんな~抑えてるのかな~?点数見たら『えっ?』、プロトコル見たら最後0点」 荒「あっぱれな人だね」 信「そりゃ低いわ、それで怒られる、みたいな。何回このパターンやるの?みたいな。飛びすぎてネジが飛んじゃったんでしょうね~」 荒川さん爆笑! 信「3-3-3とか4-3-3とか始めたの、荒川さんの影響なんですよ。トリノの公式練習で荒川さんが3Sー3Tー3Lo降りてるの見て凄いなと思って」 荒「でも本番で一度も降りてないよ」 信「でも練習見て感動して、最後の3回転でオー!って」 荒「気持ちいいんだよね、ポンポンポンって3回降りるの。ちゃんと跳べないと3回跳べないんだよね」 信「すごい気持ちいい。もうプロになって跳びすぎ気にしなくていいから、存分に跳べる!どこまで跳ぶんだろうみたいなプログラムがあってもいいかな?」 荒「それこそ自分らしく生きれるんじゃない?」 信「いろんなスケーターがいて、大ちゃんだったら色気とか格好良さ、荒川さんだったら流れるような美しいスケーティングとか、プラス面白さとかいろんなプログラムがあって、今は構想を練っています。現役時代跳びすぎちゃうウィークポイントを出せたらいいな」 荒「練習の時シュミレーションしないの?」 信「練習の時は完璧なんですよ(笑)先生にも褒めてもらえるんですよ。練習でしない失敗を本番でするんです。それで焦っちゃってリカバリーしないとって強迫観念で、それで最後0点みたいな」 荒「リカバリしないとって思うと普通一個目のジャンプからおかしくなるんだけど、綺麗に跳べちゃうんだよね」 信「ここでいっちゃう?みたいな」 荒「男子フィギュアの盛り上がりを作ったのは織田くんと大ちゃんだと思うんですよ。ジュニアの時代からコンスタントに取っていく時代でしたけど、私が客観的に見て思うのは急にスターになった訳でなくて、世界ジュニア取ってもシニアに上がると世界の壁に跳ね返されて、そこからどうやって強くなるかを見て過ごした選手達が、頑張ればトップにあがれるんだって夢をもらって今の時代があるんじゃないかな。二人が凌ぎを削って世界に出ても跳ね返されて、特殊な才能がある人が特殊なところに行くんだって自分とは世界が違うって思いがちなところを、頑張ればトップに行けるプロセスを二人は見せてくれた。次の世代に凄くいい影響を与えた」 信「宇野選手とか山本(草太)選手とか凄く上手くて、僕らの時代と比べ物にならないぐらい進化してる」 荒「世界に出るには何が必要なのかを次の世代は若くして見てるから早く備えていける。だからそれを見せてくれた織田くん大ちゃんのツートップが一番影響してる」 信「僕は何もしてないです」 荒「でも二人、タイプの違う二人が戦ってるの見せてるからね」 信「日本で国際大会とかアイスショーとか身近に見られる機会が増えてるのも、荒川さんと共演したりとか、日本中の皆さんがフィギュアスケートに注目してくれるのもあって次の世代が頑張れるようになったんじゃないかと」 荒「織田くん大ちゃん、いろんな選手がいて理想を追いやすくなった。織田くんみたいな流れるようなジャンプとかスピンとかを身近に学べるようになったっていうのも影響あると思う。去年の全日本見ても誰もが、ずば抜け過ぎてない、誰がとってもおかしくない、全力でいかないと誰にも余裕がない、トップが辞めても次の世代が出てくるって世代交代が上手くいってる。だからこそ大変だったろうなと」 信「ユズとか町田くんとか上手な子がきて、僕はベテランのベテランだったので焦りの気持ちより、負けないぞっていう気持ちの方が強かった。負ける悔しさもあったけど、そういう経験ってスケートやってても出来るか出来ないか分からない、こういう経験できて良かった」 荒「世界選手権の代表に織田くんと大ちゃんは安泰で、あと一人は誰が行くか?って時代もあった。そこから変わって誰もが行けるって方が自分を高めるにはいいんだよね」 信「トリノの女子の代表決める時の全日本、凄いオーラがあった。今の男子はそれに競り合うくらいの力がある。あの時の女子を見て僕ら男子も頑張ろうって思ったのが10年経ってやっと追いついた」 荒「枠が一つだったのが三つだもんね。私が子どもの頃見てたのは伊藤みどりさんだから、特殊な才能のある人だから・・・あんまり世界で戦うというモチベーションがなかった。世界というのは遠い。でも今の子は日本代表になれば世界で戦える」 信「そういう機会を与えてくれる機会が多くなった」 荒「私の時代はNHK杯しかなかった。それ見に行くのが楽しみだった。夢は花拾い。選手に夢を抱いてなかった」 信「フラワーボーイやったことあるけど楽しいですよね。四大陸が大阪であった時、ストイコに花渡した時に『センキュー』って肩さすってくれたの今でも覚えてます」 荒「選手の側なんて行けないのに、フラワーガールボーイにはその権利があるじゃない。すっごい憧れだった!地元の仙台に(試合が)来ない。ユヅが活躍して仙台に(試合が)来た時、私はもう大きくなりすぎてる(笑)」 荒「羽生選手は全てのタイトル取ってるけど、織田選手から見た羽生選手ってどうですか」 信「ジャンプの凄さもそうだけど、ジャンプの前後の動作も凄い!そこから跳ぶの?みたいな!自然な流れで全然構えがない。プログラムの自然な流れで4回転が跳べる。僕なんか4回転の助走なんて頭の中、全部4回転、振り付けも上の空なんですよ。羽生選手はそれがない。3Aも凄い。後半で3Aのコンビネーションが跳べる。体力が無いって言われるけど、あれをやったら、そりゃしんどい。2009年のグランプリファイナルでジュニアと合同だったんですけど、初めてユズを見たんですけど、『この子は絶対くる!』って今のルールでは申し分ない」 荒「私が思うのはメンタルも凄いけどマインドが凄い。先シーズン(タイトル)全部取って、今シーズン目標が見い出し難いじゃないですか?でも、しっかり参戦して毎回課題を乗り越えようとしてる。一度頂点に立つと普通超えられるのがイヤで」 信「荒川さんはどうだったんですか?」 荒「私が世界選手権で頂点に立った時は、次はどこに目標を置くのか?新しいルールに変わる頃だったから、そこに対応してまで続けるのか?チャンピオンに挑むというのも窮屈で、自分のスケートに向き合うことが出来ない時期もあった。だから本番でもそういう結果が出てそれを見て辞めたいなという気持ちも。休みたいなという気持ちも。(羽生選手は)休みたいという気持ちが微塵もない」 信「アイスショーから全力で、練習からも全力で。彼との会話を聞いて思ったのは、彼にとってのフィギュアスケート道というのがあってそれを極めたいみたいな、そういうのを感じる。自分のフィギュアスケート道とはなんなのか突き詰めようとしているみたいな」 荒「次元が違う!メンタルを強くしようとか、技術を高めたいとかと違う」 信「僕も技術を極めたい、誰かに勝ちたい、勝ったら『もういいや!』みたいな、それとは違う。達成したら更に『自分にできることはなんなんだろう?』って考えるところが凄い」 荒「数字的には達成してるのに、彼が考えてるMAXには到達してないんだろうね。彼まだ余力があるんだよね。たぶんオリンピック完璧だったら今シーズン違ったんだろうな」 信「僕見てて思うのは、MAXも自分で広げてる。4Lo練習してるとか、そこまでする?」 荒「限界値見たいんじゃない?充分勝てるレベル持ってるのに、いつもMAX狙う。勝つことは見てない。自分の限界値への挑戦なんだろうね」 信「無限の可能性のある選手」 荒「さらに言うと運も持ってる!僅差で勝ってる」 信「僕いつも僅差で負けてる」 荒「私も僅差で狙えるって思って落とすんだよね」 信「2T跳ばなきゃ!お前のせいだよ!みたいな」 荒「やっぱりそこなんだ(笑)チャンスって一回は力んじゃって見逃す、でも彼は絶対掴むよね」 信「引き寄せます!そこが凄い。チャンスだって分かっても固くならず屈しないのが見てて分かる」 荒「どんなに技術あって力あっても、そういうとき自分らしくなくなる」 信「絶対意識しちゃって、欲が出て」 来年の目標 荒「『育』です。子どもが産まれたので育てる意味と自分も育ちたい。スケート界の育成もお手伝いしたい年です」 信「可愛いですよね」 荒「子どもね。女の子欲しいよね?」 信「そう女の子欲しい!次も頑張って。僕が産む訳じゃないけど、頑張ります」 荒「奥さん大変だけど」 信「僕の目標は『活』です!2014年はいろんなことに挑戦して解説もやらせてもらって、そういった経験を生かして更に2015年は活躍したいという。生かしていきたい!今年の経験を次の年の活力に」 荒「いけそうですね。勢いがあるから。じゃあ芸人として活躍してください(笑)」 信「滑れる芸人として。ファンにも言われるんですけど、『織田さんってスケートもお上手なんですね』って」 荒「えっ?(絶句)失礼!」 信「スケートも?!って、他に何が上手なんだろう?って」 荒「お母さんが家の方がもっと面白いって言うから、まだ出来てないんじゃない?」 信「まだまだ抑えてるかも。これからはMAX目指して」 荒「自分らしく。でも抑えてそれだからね」 信「出し過ぎるとみんな引いちゃうと思うから、みんなどこまで受け止めてくれるかなっていうのを目で確かめながら」 荒「賢いよね。いろんな意味で。頭の回転も速いし」 信「楽しい空気のほうがいいじゃないですか。そういうのを崩したくない」 荒「サービス精神だね」 信「そういうの、あると思います」 信「今日は本当にありがとうございました」 荒「こちらこそ、お疲れのところを。これからも多方面で活躍して。こうやって辞めても活躍できるんだってことを希望を与えてくれると思うんで、体に気をつけて、楽しんで」 信「はい、自分らしく楽しんで頑張ります」 荒「テレビで楽しんでいます」 対談で印象に残ったこと 荒「私と織田くんの接点思い出せなかったんだけど、ショーだったかな?って。競技の時、話す機会あんまり無かったんだけど、織田くんは2005年にシニアに上がって会話をしたってことを覚えててくれて嬉しかったです。スケーターとしてここまで頑張ってきて今でもクオリティーを保って、その他の方面でもフィギュアスケートの織田信成だってことを印象付けて活躍してる。そういうセカンドキャリアもあるんだってことを次の世代の選手達にも見せてくれる貴重な存在。いろんな活躍をしながらもスケートを大事にしてくれる、伝えてくれる存在、活躍を広げて大変だと思うけど頑張って欲しいなと思います」
by Isaias4008
| 2015-01-31 23:41
| 織田信成選手
|
カテゴリ
外部リンク
リンク
ブログパーツ
以前の記事
2019年 06月
2019年 01月 2018年 05月 2017年 12月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 02月 検索
その他のジャンル
ブログジャンル
記事ランキング
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||